僕を愛した罪

愛しいあの子へ















次の日。

僕は教室の中で読書を楽しんでいました。



元々読書は好きなのですがねぇ。

ここ最近は滅多に読めていませんでしたから。

久々の、読書タイムです。





「セイくん、おはよう。珍しいね」


「おはようございます、愛さん。
そうですか?」


「珍しいよ。
屋上に行かないで、教室内にいるなんて」


「屋上も良いのですがね。

僕に付き合って愛さんが一緒に屋上へ行ってしまうと、キミの成績が危ないので。

僕もキミの成績のために、真面目に授業を受けることにしました」


「凄い良い心掛けで、あたしも嬉しいけど…。
セイくん、口調は変わっていないね」


「そんなすぐには変わりませんよ。
そもそも、慣れてしまいましたし、この話し方に。

もう暫くは、このままでいさせてくださいね?」


「良いよ。
どんなセイくんもあたしは好きだから。

セイくん、何読んでいるの?」


「ア○ンシュタインの、相対性理論です。
とても興味深い内容ですね」


「……ザ・あたしの知らない世界」





愛さんが何か言っていますけど。

僕は気にせず、ページを捲りました。








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