僕を愛した罪

アホな子









僕は今日も屋上にいます。




どうやって入ったか。

そんなものピッキングですよ。

ただ単に屋上へ立ち入り禁止のために作られている鍵ですから。

家から針金を持ってきて少しいじれば簡単に開きます。

針金という便利なものがあって良かったですね。




今日も屋上に寝転がって空を見上げます。

水色の空と言う名の大きなキャンパスに、
真っ白な雲と言う名の絵の具が広がります。




右から左へ飛行機が向かいます。

同時に飛行機雲が出来ます。

1日に5本見たら願いが叶うと言われています。

僕は最高で1日に4本見ました。

5本というのはなかなか難しいと言うことを知りました。




やっぱりこうして寝転がって空を見上げると言う行為は
素晴らしいことだと思います。

心が空のように晴れる気がします。

色々な表情を見せてくれる空は、
僕の心の支えとなっていると言っても過言ではないでしょう。





「あー!
見つけた!

やっと見つけたよ王子くん!」





心穏やかに空を眺めていた僕に話しかける
空気読まない女子がまたやってきました。

…良い加減来ないでほしいのですが。








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