僕を愛した罪

傍にいる子









☆愛side☆






「…お手洗い、かぁ」




桐生くんがいなくなった扉を見つめながら

あたしは呟いた。




随分お上品な言い方だなぁ。

女子であるあたしでさえも、「トイレ」なのに。

お手洗いって…どこの貴族よ。

よくデキてるレディーしか言わなさそうな台詞。

彼はアッサリ言いきった。





そういえば、結構上品な所あるかも。

お昼も一緒に食べているけど、
お箸の持ち方とか凄く綺麗だし…。

家族構成とかよく知らないけど、育ちが結構良いんだろうなぁ。





前に追いかけて知った桐生くんの家。

高級だって騒がれている住宅街の一角に建つ、2階建ての洋風建築。

ご両親とかキョウダイ(いるのかな?)には会ったことないけど、
あの桐生くんの家族だもん。

上品で、坊ちゃんお嬢様って感じが漂って、お金持ちなんだろうなぁ。

まぁあの住宅街にあんな高級そうなお家建てることが出来るんだもん。

お金持ちっていうのが前提だよね。

政治家とか住んでるとかって本当か嘘かわからない噂もあるし。








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