異聞三國志
第9章 誘い
玄武隊の面々は農民や商人になって、洛陽に入った。士郎は薬売りの行商人であった。

夜に玄武隊の一人が司馬懿に接触して、翌日士郎に夜面会することになった。


『諸葛亮の甥、諸葛庶と申します。』


司馬懿は、冷徹な面持ちの男であった。

『孔明殿の甥とな。あまり聞かんな。』


『というのは、仮の姿、本当は倭国の未来から来た者です。』


『なんと!笑止!言うに事欠いて、未来人とは。』


『ならば、この先の歴史をいいましょうか。本来ならば諸葛丞相は既に亡くなって、魏は安泰の歴史になっております。関興殿も亡くなっております。何故に助かったか。不肖私が未来で知った治療法を実践したからです。』


『なんと!』


士郎はいままでの経緯を一通り話した後、


『我々の歴史では、貴方様のお孫様が皇帝になるはずでした。』


『なんと!・・・。』

司馬懿は絶句した。


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