一年の恋。一年後の恋。
甘い誘惑


静かな部屋……
心臓の音がうるさくて
堤川さんに聞かれているようで
身体も変に熱くなる



「……その顔、やばいわ」


……は?また顔に文句?


『な、なんですか!?やばいって失礼ですよっ!もぅ、帰ります』


変にドキドキさせんなよっ!
もう、ムカつくなぁ



笑ってる堤川さんを横目で見て
私は部屋を出ようとした


「あー、ごめん。マジでごめん。機嫌直してよ。飯おごるから」


『いえ。結構です』


誰があんたなんかと飯を食うかっ!


「いい店見つけたんだ、行こう」


そう言ってシャツを着て鍵を持ち
私の肩を抱く



『ちょっと、誰も行くなんて言ってないでしょ?それに、勝手に触れないでよ』


私が何言っても
堤川さんはニコニコしながら
私の肩を抱き歩く


肩を触れる手が……嫌じゃなかった。
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