Hospital waste
The hellish bottom(地獄の底)
数秒か、数十秒か。

時間にすれば僅かな間の漆黒の末に。

「ぐっ!」

アレックスはダストシュートの終点から放り出された。

尻餅をついた先で転落死…という結末を迎えなかったのは、落下した場所がゴミの山だったから。

紙くず、生ゴミ、分別されているものされていないものの区別を問わず。

広い空間に無数のゴミが所狭しと存在した。

そのゴミの山のお陰で、高所から滑り落ちるダストシュートでも怪我をせずに済んだのだ。

とはいえ、この悪臭は如何ともし難い。

ズボンの尻を払い、臭いに顔を顰めながら、アレックスは立ち上がる。

MARK23はしっかりと握り締めている。

シエラをダストシュートに引き摺り込んだ、あの細身の男は何処に行ったのか。

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