Hospital waste
A watchdog suits a hell well.(地獄には番犬がよく似合う)
翼長2メートルのカラス、奇形の猫科の猛獣、ダストシュートに潜む細身の男。

異形ならば、この病院に来てから嫌というほど見てきた。

しかしアレックス達の前に立つそれは、異形の中でもとびきりだった。

「ほら、アレックス、何て言ったっけ、エジプト神話の…」

「ケルベロスはギリシャ神話だ」

シエラの言葉に返しつつ、アレックスは拳銃の残弾を確認する。

移動しながらマガジンは交換したので、弾薬は満タン入っている。

だが、それであの化け物が仕留められるかどうか。

目の前にいるのは、文字通りケルベロスだった。

首が三つある大型犬。

この病院が動物実験や人体実験を繰り返しているとはいえ、三つ首などというものが現実にまともに機能させる事が可能なのか。

どんな投薬、どんな移植手術がそれを可能にさせるのか。

しかしながら目の前の化け物は、三つの首を別々に器用に動かし、アレックス達を威嚇していた。

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