鉢植右から3番目


 自分達の企みが成就したのがよっぽど嬉しかったらしく、全ては速やかに実行され、私達が結婚届を提出した夜からは、何と一緒に住める状態だった。

 家具まで必要最低限のものは揃えられていた。

「あとは追々自分達で好きなものをそろえなさ~い」

 って笑う母親をハリセンで殴りたかった。でもま、ベッドはシングルを二つ用意してくれてたから、そこは感謝しよう。自分の部屋に移すだけで済んだのだから。

 式を挙げないからと、その諸々に必要だった費用は「結婚資金」として両家から出すってことが決まってたらしいし。つまり、私達は、タダだ。

 だけど。

 だーけーどー。

 ・・・早くない?神の啓示を受けてきっかり3日後には、全てが終わってたなんて!!

 どんだけ出て行って欲しかったんだ、母親達よ!

 しかもやつらは主役である子供達を抜きにして、もう知っているくせに両家の顔合わせなるものもしたらしい。高級和食屋で。

 呆れるを通り越して、最後には笑ってしまった私だ。

 そんなことで、結婚と名をつけたただの同居生活は始まったのだった。

 あーあ。


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