お前、可愛すぎてムカつく。

その横で、一人顔から血を流して倒れている人もいた。


あれって…私の事襲った人だ!!


一瞬にして体が凍った。


やっぱり蒼空はあの事を知って…


周りの生徒は巻き込まれまいとただ見ているだけで、誰も止めようとはしない。



「蒼空っ!!」


私は急いで蒼空の背後にまわり、背中に抱きついた。



「もういいからっ…やめてよ!」


振り返った蒼空はまるで別人みたいな目つきで…


すごい怒ってる…


どうしよう、こわい…



「彩…離れてろ」


「やめて!もうぐったりしてるじゃん!!」


蒼空が馬乗りになってる人もかなり殴られたのか、顔が腫れている。


ゾッとした。なんでここまでするの…



「お…俺らは頼まれてやっただ…けで…」


その時、横で倒れてた男子がゆっくり起き上った。


「頼まれただぁ?誰にだよ!」


心臓がドクドクしていた。


それって…やっぱり水原さんじゃ…



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