わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
サガシモノ

ニゲマドウ









まずは1階、生徒玄関を目指そう。



人影を見たっていうのも1階だし、1階からしらみつぶしに探していけば、いつかはきっと誰かに会えるだろう。



今降りてきた階段に引き返し、もう1階分の階段を降りる。



1階の廊下を進みながら、中庭を通した向こう側の廊下に誰かがいないか、目を凝らす。



それにしても、すごい構造の学校だなぁ。



中庭は吹き抜けになっていて、ガラスはあるものの、ロの字型をしているものだから向こう側の廊下も、なんなら4階まで全階の廊下が見える。


これで〈あの子〉が盲目じゃなかったらすぐ見つかりそうなものだけど、そうじゃないのならみんなを探しやすくて都合が良い。


私の学校は普通に一の字のような構造だから、それこそ一度はぐれたら見つけにくそうだ。



暗くて見通しが悪い中だから、向こう側の廊下なんて物凄くぼんやりとしか見えないけれど、それでもさっき襲われたみんなを芽衣さんが見つけていたくらいだから人影くらいは見えるんだろう。



朱里さんみたいに懐中電灯を持っていれば、光が見えるはずだし。



逆に今見つけられないということは、こっち側の廊下のどの階かにいるか、どこかの教室に隠れているかのどちらかってことだ。



…そういえば、〈あの子〉ってどんな姿をしてるんだろう?


知らずに近付いたら〈あの子〉でした、とかシャレにならないよ…?



この石、〈あの子〉に対しても光ってくれないかなぁ。


…くれないよね。



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