さよなら、愛しき人。【完】
新しい命。



「はぁ……」


私は今、タクシーに乗っている。


行き先は空港。


とりあえず両親の元に帰ろうと思い立ったから。


最近体調もおかしかったし、ついでに病院行こうかなぁ…。


頭痛とか吐き気とかもひどかったし…。


……あれ?


生理……いつきたっけ?


しばらく生理がきていないことに気付き、すぐそこのドラッグストアによってもらった。


幸い、深夜まで営業してるみたい。


そこで検査薬を買って、とりあえず今日は空港近くのホテルに泊まることにした。


ホテルに入り、一息ついてからトイレで検査をした。


恐る恐る目を開け、確認してみると…陽性。


できていた。


私のお腹に命が宿ってるんだ…。


その日、ずっとどうするかを考えた。


朝になって、ホテルをチェックアウトして、空港へ。


そして私は、親のいるところのチケットではなく、ニューヨークへのチケットを持ち、搭乗した。


そう、考えた結果、私はニューヨークへとぶことにした。


両親には、伝えずに。


幸い、学生時代から貯めていた貯金があったし。


生まれてから報告してもいいんじゃないかな。


とりあえず、ニューヨークに行くことは伝えた。





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