さよなら、愛しき人。【完】
帰るべき場所。


ルイとオーガの家に住み始めてもう半年。


子供ができて9ヶ月目に突入した。


ルイの紹介した仕事は、ルイが経営してる会社の秘書だった。


ルイは数年前に大きな会社を立ち上げ、若くして社長になったらしい。


しかも、その会社はなんと、かの有名企業。


ルイのそばで4ヶ月働き、1ヶ月前に辞める…はずだった。


心配性のルイは、ほかの秘書を雇い、常に私をそばに置くようになった。


しかも、私が気軽に話せるようにと日本語が話せる人をわざわざ雇った。


ひどい時は自分の膝の上に私を座らせる始末。


最初の頃は恥ずかしかったけど、今となっては日常。


秘書の早紀(さき)さんとも、とても仲良しになった。


「今日もラブラブですね」


「いえいえ、何といいますか…懐かれてるというか…」


「僕はペットじゃないよ」


「ふふ、ご結婚はいつになさるんですか?」


「あー…私たち、付き合ってないので」


「え?そうなんですか?」


「僕は嫁にほしいぐらいなのにね」


「何いってんの、ルイ!」


「はは、反応が可愛いなぁ唯奈は」






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