だって、キミが好きだから。

2度目の告白



萌奈に強引に誘われて参加したカラオケで、琉衣はずっと不機嫌そうだった。


本当は来たくなかったんじゃないかな?


あたしを連れ出してカラオケを出ちゃうし。


本当は早く家に帰りたかったんだよね?



だから『帰りたい?』って聞かれて、『帰りたくない』って素直な気持ちを言えなかった。



真冬の風は冷たいのに、琉衣に掴まれた腕はものすごく熱い。


アオ君に肩を抱かれた時はかなり嫌だったけど、琉衣が相手だと全然違う。


ドキドキが止まらないよ。



「俺も……どっちでもいい」



琉衣はあたしの目を見ずに、そっぽを向いたままつぶやいた。


今日の琉衣は本当に変だ。


ずっと目を合わせてくれない。


合ってもすぐにそらされちゃうし、何か気に障るようなことをしちゃったのかな。


『すっげームカついてる』って言ってたし、知らず知らずの内に何かしちゃったのかもしれない。


でも……さっきのカラオケでの言葉は何だったんだろう。


ただ、あたしを守ってくれただけ?


< 76 / 343 >

この作品をシェア

pagetop