エリート医師に結婚しろと迫られてます
ため息の始まり
「 弁護士の浅倉です」

私は、顔写真と、肩書きを載せた名刺を
クライアントに手渡した。


私のクライアント…
目の前の60代後半の女性は、見事な銀髪に、上品な笑みを浮かべている。


私の名刺を、何か特別価値の有るもの
みたいに仰々しく受け取り、こちらが、
恥ずかしくなるような、
細かなところまで、目を通して、
これは何かと質問してくる。


クライアントが興味を持ったことは、
正直に答えるべきだ。

弁護士と言えども、クライアントの
お陰で生活が成り立っている。

お客様は神様だ。

でも、そうもいかないこともある。


「まあ…離婚もされてるの?」
苦労されてるのね、見かけによらず…
と、なぜか同情的な眼差し。


ん?


この仕事に付いてから、信頼できる
弁護士に見えるように、
作り上げていた笑顔が崩れて…歪む。



なっ…んでよ。
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