握力のはかりあいは、涼平さんに
かなわないけど、森谷さんも向きになって、勝負している。

それから、二人の男たちはすぐに意気投合した。



「そういう、涼平さんは何やってるんですか?」
森谷さんは、もう何年も友人であるように涼平さんに話しかけてる。


「うるさいよ。俺のことは。でも、よかったな」


「はい」

森谷さんが、その日の夜にうちに
来るようにと、兄からの伝言を伝えると、
もう古い友人のように、
肩を叩いたり、冗談を言い合っている。


なんだ、これは

「早く否定しないと、どんどん彼に
既成事実を作られてるじゃないの…」


いつのまにか、真理絵が私の横にきて
思ってた事と、同じことを言う。


「森谷さんどうして、
こんなことしてるのかな?」
本当に人の懐にすっと入って行く人だ。


「本人に聞いてみたら?」
真理絵が、クスッと笑う。


「ダメだよ。聞いたって、教えてくれないもん」


あんなにすんなり、仲良くなってしまって、森谷さん、何を気にしてたんだろう。