「ごめん。前もって予約しておいた方がいいかなと思って。
でも、麻結?これで、ご両親も君がお見合する必要ないって分かっただろ?」

「こんなことひどい!」
きっと、父の私に対する評価は、出来損ないの娘の上に、好ましくない評判も重なっただろう。

森谷さんは、もう一度私を抱きしめると、
「今度、他のやつのところに行くなんていったら、これじゃすまないよ」
それから、キスをした。

唇だけでなく、

「これは、僕のことを好きになるおまじない」
露になった首筋、背中、胸のいたるところに、強烈なキスの跡を刻み付けていった。

「ね、父さんの芝居って何?」

「さあ、何だろうね。でも、君のお父さんにけしかけられなかったら、こんなことになってなかったと思うな。
さすがにお父さんの許可がなければ、いくら僕でも、君にこんなことする勇気はないよ」

「ええっ?」

「本当に、君って可愛いな。今度は覚悟して」

彼は、そう言って最後に甘くて、長いキスをすると、私の体の上に布団を掛けて出て行った。

『これじゃすまない…』

なんだろう…中身を考えてたら、怪しい妄想で一杯になった。
彼の事を考えると、体が火照って、しばらく起き上がることが出来なかった。