エリート医師に結婚しろと迫られてます


浅倉さんが、もう1人連れてくるからって。
誰か知らないかって?いいえ、知りませんよ。麻結ここにいるけど…代わりますか?」


私は、いきなり話をしろと電話を渡されて、困惑した。

「もしもし…」


―風邪、なおったの?
森谷さんの声だ。くすくす笑ってる。


「はい…長引いてましたけど…やっと」


―もしかしたら…僕があんなことをしたから?

「違います」
クスクス面白そうにまだ笑ってる。


―風邪、はやく治してね。じゃないと家にまで往診に行くよ。


「ええっ?あの…今日ですか?」


―残念。今日はこれからずっと仕事。君のお兄さんのお陰で、このところ休日が潰れてる…直接、家に来てくれてもいいよ。



「えっと…お疲れのところ悪いですから…遠慮します…あの…じゃ、がんばってください」


―ん。わかった。土曜日、麻結に会えると思うと、今日もがんばれるよ。


「はい。私も楽しみにしてます」


通話を終えると、美月が言った。


「ということで、土曜日ね」






< 156 / 336 >

この作品をシェア

pagetop