「そろそろ出ようか…」
相沢さんがレシートを持って、立ち上がった。

「あの…店を出るんですか?」

「そう…行くよ」

「私は、もう少しここにいます…一時間待ってるって約束したし」
時計を見る。まだ20分も経ってない。


「そうだっけ?覚えてないな。どっちにしても、モリなんか待ったって無駄さ。今頃さっきの美人と一緒にいる」


「そ、そうかも知れないけど…彼は、ここに来るって約束したし…」
約束を破る人ではないと思う。少なくとも、努力はしてくれる人だ。


「ムカつくな。あんたなんかのために、モリが来るわけないだろ?あいつが仕事放り出して、あんたなんか助けに来るかよ…」


「来ないかも知れないけど…来てくれた時に、私が居なかったら森谷さんに悪いし。それに、後、数十分だけここに居るのは、そんなに苦痛じゃないもの」


「わかった。じゃあ…1分でも、1秒でも時間が過ぎたら…奴をあきらめて俺を選んで」

あ~あ、この人…森谷さんに対抗意識持ってんだ。