エリート医師に結婚しろと迫られてます
理想の人


彼に、連れて行かれたのは、由比ヶ浜の海岸だった。

まだ、朝早いし、泳ぐには寒すぎる。

海岸の近くに車を停めて、海岸に出た。


「家に寄って、車置いていけばよかったのに」

「まっすぐここに来て、海を見たかったんだ。まず、落ち着かなきゃと思って。
本当言うと、君に理解してもらえるか…あまり、自信がない」


「森谷さんも、自信がないことってあるのね」

でも、大丈夫よ。大切な人の言葉は。一言も聞き逃さないで聞くから。



「ん、ありがとう。実を言うと、この場所は、あまり好きな場所じゃないんだ。昔、こっぴどく振られた場所だからね」


「振られた?森谷さんが?」
私は、呑気に笑ってしまった。


「どんな人なの?
あなたを振ってしまうなんて」


「そう…そんなこともあるさ」

こんなに、何もかも揃ってる人でも、振られるんだ。

世の中、さっぱり分からない…


こういっちゃ何ですけど、
振られたことはあるけど…
振ったことなんか私の人生1度もない。


「初めて君に会ったのは、中学生の時、君は確か小学生だったな」
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