プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

2、まずは部員集めから

あたしが野球部のマネージャーになって、三日後。


放課後のグラウンドには、半面を使ったサッカー部と、フェンスがある側のもう半面を使う、野球部員のあたしと一輝くんのみ。


あたしが一年生の時までは部員がいたらしい野球部、
ツイテることに部室はそのまま、バットもボールも備品はある程度揃っている。


練習する環境も道具もある、ただ肝心なプレーヤーが一輝くんのみしかいないのが大問題。

いるのは野球に興味もない名ばかりの顧問、国語のおじいちゃん先生の和澤のみ。


「今日も、声かけた人全員に断られました......」

「残念だったね、あたしも何人か声かけてみたんだけど、野球ってなかなか初心者がやろうと思わないじゃん?」


白いユニフォームに身を包む一輝くんとキャッチボールをするのは、ゆるふわに巻いた金茶色のロングヘアを両サイドでゆるくみつあみにして、さわやかな水色ジャージを着たあたし。


本当ならマネージャーのあたしがすることではないけど、他に部員もいないから、あたしがやらないとキャッチボールもできないもんね。

この三日間は、一輝くんと一緒にアップ、キャッチボールして、一輝くんがバッティング練習をするときにトスを上げて、マンツーマンで練習している。

それぐらいはできるし、あたしとしては一輝くんと二人きりでも全然いいんだけど?


でも、それじゃ二人の夢、甲子園にいけないからやっぱダメ。さすがに二人じゃ守備練習もできないし、何より試合ができない。

早急に部員を集めないと。






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