絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
計画
あたしと優也さんは荷物を持って近くのファミレスに来ていた。


できるだけ目立たない、壁際の席に向かい合って座っている。


ついさっき届いたアイスコーヒーの氷が少し溶けてカランッと涼しげな音を鳴らした。


バッグにちゃんと入れられていたスマホで日付を確認すると、あたしと翔吾が自殺未遂をした日から1日しか経過していなくて、あたしは驚いた。


つまり、あたしたちは自殺に失敗したのではなく、すぐに発見されて《mother》に送られたのだ。


大量に睡眠薬を飲んでいたから、自分が運ばれていても気が付かなかったんだ。


一方の優也さんは、自宅にいたところ急に後ろから誰かに押さえつけられ、そのままマイマスクを付けられて車に押し込まれたそうだ。


そして車内でなにかキツイ香りがしたと思った瞬間、意識を失ったようだ。


《mother》の大胆な手口に唖然とする一方、どうしてこのような事が世間に知れ渡らないのだろうと思う。


きっと、家族が帰ってこなくてもいいような小細工までしているのだ。


《奴隷部屋》には綿密に計画されて誘拐されてきた人が集まっている。
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