君の味に落とされて。
ときめき木曜日




玲於先輩と出会って数日。


なぜだか…色んな女子があたしを見に来るようになりました。


「まるで動物園のパンダね」


「…あたしなにかした?」


休み時間のたびに、廊下からあの子が佐倉さん?なんて声が聞こえたら落ち着かない。


「そりゃあ放課後に玲於先輩に誘われたし…。キスされたんでしょ?」


にや、と唯が笑うから、頬を膨らまして対抗する。


「それは玲於先輩の気まぐれだよ絶対。あたし、何度も考えたけどただの意地悪な嘘だったんだ、って思ったの」


"自分からキスしたの、お前が初めてだけどな"


結局、あたしと先輩はあそこで別れてその言葉の意味はうやむやにされてしまった。


普通に受け取ったら、あたしのことが好きでキスしたの…?


ってなるけど、あのときは本当に初対面で、好きなわけがない。

それにご褒美とか言ってたし。


てことは、あの言葉は嘘ってことだなって思った。


あんなにモテるのに…キスしないわけがないよ。


彼女の1人や2人や10人……いたに決まってる。


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