マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
8 よくあることさ
トライアングルの音色が響き渡る。
まるで目覚まし時計の様だ。


グスタフ・マーラー作曲
交響曲第1番ニ長調『巨人』


マーラーの交響曲にはトライアングルが全て出てくる。
よっぽどだ。ここまで来ると、お気に入りの楽器だから、の言葉では片付けられない気がしてくる。


この曲は、マーラーの交響曲の中でも演奏の機会が多く、人気もある。
曲も、若い青春の時代ならではの情熱や苦悩を
描き、曲の構成もドラマチックだ。
解りやすく、口ずさむ事の出来る範囲のメロディーも所々に出てくる。


だが、9曲ある交響曲の中で、この曲だけが明らかに異質だ。
正確に言うならば、マーラーの交響曲自体が他の交響曲と比べると異質なのだ。

例えば、ここ。


第2楽章最後、断ち切る様にずばん、と降り下ろして曲を終わらせ、しばらく間をとり緩慢で小さな動きから第3楽章を始める。


第3楽章出だしは、テインパニ、コントラバス
ソロから始まる。




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