♡放課後みすてりあすいーつ!♡
始まりの薔薇色ケーキ

情報屋コンビ





ゴールデンウィークが終わって二週間後、休みボケが治りつつある今日このごろ。

雲一つ無い晴れ渡った空と暖かい空気の中、ツインテールの女の子がブンブンと手を振った。

「『タイム』、おっはー☆」

「お、『ミィ』!おはよー」

いつもの待ち合わせ場所、住宅街の隅にある花屋の前。

私は『ミィ』こと美色(みいろ)と学校へ行くためそこで待ってると、一分足らずですぐに合流出来た。

さすがに十年以上も一緒にいると、テレパシーみたいにお互いのタイミングとかが読めてくる。


美色とは幼稚園生の時からの仲。

お互いを『タイム』『ミィ』と呼び合うくらいの大親友だ。

ちなみに、あだ名が『タイム』なのは美色曰く、私の名前が『時音(ときね)』だから『時』の字からとったらしい。

「今日は……こないな」

キョロキョロと周りを見回すけど、誰もいない。

家の陰、植木の裏……気配は無い。

首を動かすたびに、ベチベチと自分のストレートヘアが頬に当たって痛いだけだった。

「さすがに、今日は大丈夫じゃないの?タイム、気に過ぎぃ」

学校に行く途中に時々来る、『アレ』を気にしつつ、私達は学校へ向かった。
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