14年目の永遠の誓い
4.プロポーズの意味
分厚い遮光カーテンをそっと開くと、青く晴れ渡り、白い雲がぽっかりと2つ浮かぶ澄んだ空が目に飛び込んできた。

雲はゆっくりと空を渡り、庭の木々も咲き誇る花もわずかに揺れていた。

続けて、窓の端までカーテンを引くのに合わせて、ポカポカ暖かそうな朝の日差しが、室内を満たしていく。



3月下旬、高校2年生が終わり、高校3年生が始まる前の春休み。

わたしの17回目の誕生日。



1年の中でも、一番浮かれていい日かもしれない。

でも、わたしは少し複雑な気持ちだった。



……17歳。



大好きだった、わたしと同じく先天性の心臓病を持った、7つ上の瑞季ちゃんが亡くなった年。
ずっと、ウンと年上のお姉さんだと感じていたけど、とうとう同い年になってしまった。

わたしより病状の軽かった瑞季ちゃん。

それでも、不意の急変で若くして天に召された。



自分も同じようになるとは思っていない。

過去何度もの余命宣告を受けつつも、幾度も生死の境を彷徨いながらも、この年まで生き永らえてきたんだもの。

この壊れかけの心臓が止まるのなら、もっと早くに止まっていたと思う。



だけど、確実に数年前に比べて体調が悪くなっているのを感じるから……。

続けて歩ける距離は短くなり、階段は休み休みでなければ、一階分を上がるだけでも息が切れるようになった。



今日にしても、こんなに良いお天気なのに、1年を通しても体調の安定している春なのに、朝から妙に身体が重いから……。

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