幼なじみの罪ほろぼしと恋心



12月28日。

仕事を終えた私は、大樹達が待つダイニングバーへ急いで向かった。

私の仕事納めは25日だったはずなんだけど、若生屋さんの件が揉めに揉めて、結局今日も出社して工場に行き無理矢理急いで作ってもらった商品を受け取り、茨城の若生屋さんに納品して来た。

毒舌須藤さんとのドライブはかなり大変で、往復約3時間以上、私は何かと責められてばかり。

でも大分言い返せたから前よりはましなんだけどね。


ダイニングバーには私と同じく年内最終勤務の大樹と、沙希と美野里それから井口君が居て、私が到着すると大樹の隣を開けて迎えてくれた。

「お疲れさま、須藤さんとのドライブどうだった?」

席に着いた途端沙希がからかう様に言う。

沙希は今日休みだから疲れなんて全然無い艶々した顔をしている。

「嫌な事言われなかった?」

同じく休みだった美野里もすっきりした顔をしているな。

「結構言われたけど言い返したから大丈夫」

「そうなの?」

美野里が目を丸くする。沙希はおかしそうに笑いながら言った。

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