私は先輩の浮気相手。

「少し、抱きしめさせて」







その言葉にズキッと胸が痛んだ。


「あ……、いえ…」



思ってみれば、さっきからあたしは何を言っているんだろ。

思わせぶりなことを言ってる。




違う。

しゅうを簡単に裏切ったわけじゃない。


あたしの苦しんだ思い。

しゅうが例えしてなかったとしても、浮気なんてよくないこと。





「や、やっぱこの服いいですっ」



着替え室に戻ると、ジャージをきつく抱きしめる。



胸がドクドク鳴ってる。

先輩。



完璧に呆れてたよね。



あたし馬鹿だ―…。


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