鈴木くんと彼女の不思議な関係
条件はもう1つある

 中間テストが終わったある日、学級会で秋の学園祭の催し物を決めることになった。学園祭委員には、学校推薦で進学することがほぼ決定した生徒が担任に指名された。問題なのはその内容だ。

 3年7組には清水に布施に俺と、3人の元演劇部員が集まっていた。クラスメイト達はなんとなく俺達、というよりは清水に期待して、舞台劇をやりたいと言いだしたのだ。俺と布施は大歓迎だったが、清水は不本意だったようで、さんざん駄々を捏ねていたが、勢いづいてしまったクラスメイトに押し切られ、演目が決まってしまった。

 数日後の放課後、臍を曲げたままいつまでも出演を了承しない清水を説得するため、俺と布施は清水を追いかけるハメになった。

「もう決まった事にいつまでも臍曲げてるなよ。お前らしくもない。」
「今更、クラスでやる劇に私が出たって仕方ないじゃない。それにロミオとジュリエットなんて、素人丸出し。そんなのやっても面白くも何ともないし。私はもっと他の事がしたいのに。」

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