腹黒王子に秘密を握られました
 

「ってわけで、今日から一課にきてくれた柴崎くんです。とりあえず慣れるまで営業の流れは金子の下について勉強してもらうから。事務所内では友野さんの横の席で色々教えてもらって」

「はい。よろしくおねがいします」

課長の紹介にぺこりと頭を下げ、金子の王子様スマイルにお負けず劣らずの、キラキラした無邪気な笑顔を浮かべる柴崎くん。

彼のおかげで一課の顔面偏差値がさらに上がったわ。

金子より少し低い身長、くせ毛なのかぴょんぴょんと少し毛先が跳ねた髪形。
黒目がちの大きな目に、よく動く大きめの口。
あー、なんか、私の好きなアニメの主人公っぽい。

総受けオーラ満載の、かわいい後輩キャラ。

そんな小型のワンコみたいな柴崎くんが金子の後ろをついて回っていろいろ教えてもらう様子は、なんというか、色んな妄想をかきたてられて、かなり眼福。

「今日は外回り行ったりするんですかー?」

「あぁ、マンションの査定で内覧と、専任契約もらった一軒家で打ち合わせをする予定なんだけど……」

金子がそう言いながら視線をこちらに向ける。

「悪い、友野さんも付き合ってもらってもいい?」

「はい。大丈夫です」

金子の言葉に今日の予定を確認して頷く。
拓斗くんのマンションと、前に内覧に行ったお庭のある一戸建ての西村さんのお宅だ。

拓斗くんのおうちは子守要員に、そして少しイケメンが苦手そうだった西村さんは、金子と柴崎くんふたりだと、さらに委縮するだろうから私も同席したほうがスムーズに進むだろう。

もちろん大丈夫ですと頷くと、金子がありがとうと優しく笑った。


< 116 / 255 >

この作品をシェア

pagetop