腹黒王子に秘密を握られました
第十章 私だけの秘密
 
□第十章 私だけの秘密





「行きたくないー! いーやーだぁぁぁぁっ!!」




朝っぱらから全力で泣き叫ぶ私。

「うるせぇ! さっさと立て!!」

そんな私を容赦なく怒鳴りつけるのは、恋人になったばかりのはずの金子。

愛しい彼女に向かってそんな剣幕で怒鳴るか、普通。

昨日はあのまま金子のおうちにお泊りした。

一般的に、恋人同士がはじめて一緒に朝を迎えたときってさ、一緒のベッドで目覚めて、なんか照れくさいねって微笑み合って、幸せいっぱいで抱きしめあったりするもんじゃないの?
なんで私、首根っこ掴まれて床の上を引きずられてんの?

ぜんっぜん想像とちがうんですけどっ!!


< 222 / 255 >

この作品をシェア

pagetop