腹黒王子に秘密を握られました
 
「お前はほんと、意味わかんねぇな」

頭を抱えて悔しがる私に、金子はうんざりしたようにため息を吐き出した。

疲れきったつぶやきに、愛想をつかされたかなと不安になって振り返ると、そんな私の不安までお見通しって表情で笑う性悪男。

ほんとこいつ、腹黒だ。

「そんな不安そうな顔しなくても、そういうの全部ひっくるめて惚れてるから大丈夫だっつうの。安心しろよ」

「別に、不安そうな顔なんてしてません!」

「そ?」

試すように問われて、ぐっと言葉に詰まる。
ほんとにこいつは、視線から声色、笑い方まで、いちいち私の心をかき乱すからタチが悪い。

「莉央、好きだよ」

ふくれっ面の私を抱き寄せながら、金子が耳元で甘く囁く。

「……私も、好きです」

「三次元で一番?」

「はい。三次元で一番」

金子の言葉に頷くと、「手強いな」と小さく笑った。



本当は、二次元どころか、もし四次元や五次元があったとしても、金子以上に私の心を振り回す人なんているわけがない。
だけど、こちらの手の内をすべて明かして、なによりもあなたが好き、なんて素直に認めるのは悔しいから、こんなに金子に惚れているってことは、まだ、私だけの秘密だ。



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□完璧なカノジョの秘密のアレコレ。END□


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