蜜味ヴァンパイア~薔薇の花園~
#2
放課後。

私が、久しぶりに大和と冬夜とひよりちゃんと帰っていた時、突然、クリスが姿を現した。

ドキンッ!!

久しぶりに見るクリスに、私の胸が高鳴る。

私が名前を呼ぼうとした時、大和と冬夜が私とひよりちゃんの前に立ち塞がった。

「何だ、お前!?陽菜とひよりに何か用か?」

大和は警戒して、クリスを、キッと睨みながら見ていた。

大和と冬夜は、クリスを『不審者』だと決めつけているようだ。

そう思った私は、大和と冬夜を安心させるように言う。

「大和、冬夜、大丈夫よ。クリスは、私たちには、『危害』を加えたりしないわ。」

そう言った私を、びっくりした顔で見た大和は、

「陽菜、こいつのこと、知ってるのか?」

そう尋ねてきた。

「うん。」

「そうか‥‥‥‥。」

大和が安心したように、そう言うと、冬夜も警戒するのをやめたようだった。

みんなには、信じてもらえるかどうか、それは分からないが、私が『ハーフ・ヴァンパイア』であり、クリスが『ヴァンパイア』であることを素直に話そう。

「‥あのね。大和、冬夜、ひよりちゃん‥‥‥‥。私ね‥‥‥‥。」 

だが、それを遮るように、クリスが厳しく口を挟む。

「陽菜!!それ以上言うな!!『この者たち』も『奴ら』に命を狙われることになる!!」

「でも、クリス‥‥‥‥。」

「陽菜。どういうことなんだ?」 

冬夜が、訝しげに尋ねてきた。

その時、

「陽菜。厄介なことになった。『奴ら』の『気配』がする。」

クリスがそう言うと、別の男の人の声が聞こえた。

「久しぶりだな。クリス。」

そう言って、私たちが声がしたほうに振り向くと、金色に輝く髪をした、クリスと同じように、サングラスをかけた『男』が立っていた。 

「ルイ。」

と、クリスは、その『男』の名前をそう呼んだ。  

 



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