私の恋は、期限つき

元旦は、家族で過ごして翌日。

私は、また着物を着付けてもらって、大我さんのことを待った。


お家のインターホンが鳴ったから、大我さんかと思って玄関を開く。
そこに立っていたのは、大我さんでなく俊司だった。

「俊司?」

「よっ、あけおめ。」

「あっ、明けましておめでとう。」

「お邪魔するよ。」

「えっ?ちょっ、なんで?」

「なんでって、今日アメリカに行くんだよ。ケイトさんにここにくるように言われたんだ。」

「へっ?今日?」

俊司は、荷物を持ってそのまま家の中に入っていった。


今日って、お父さんが帰るって…
一緒に行くってこと?

そう思いながら、立ち尽くしてたら、大我さんがやってきた。


「凜さん。」

名前を呼ばれて我にかえる。

「あ、大我さん。明けましておめでとうございます。」

「明けましておめでとう。今年もよろしく。
お家の人にも挨拶してよい?」


「ふぇっ?あ、だ…ダメです。」
家には、お父さんがいる。
会ったら、スミスだってバレちゃう。

誤魔化そうとして、変な声で変な返事になってしまう。


「えっ?どうしてですか?」


「あっ、あの…来客中なので…」

「そうなんですね。では、あらためて。凜さんは、お出かけの準備よろしいんですか?」

「はい、大丈夫です。」


そう言って、大我さんとお出かけした。

はぁ、うまく誤魔化せたみたいでよかった。

< 83 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop