クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
8、切なく響く声
朝比奈先輩と同居を始めて四日目。今日は水曜日。まだ週の半ばというのに私は疲れきっていた。

朝比奈先輩の家に同居が決まって、同居に関していくつか取り決めをした。

1、会社の人に同居の事は話さない事。
2、友人を家に呼ぶときは朝比奈先輩の許可を事前にとる事。
3、帰宅が午前零時を過ぎる場合は連絡する事。
4、先輩のプライベートには干渉しない事。
5、家賃・光熱費・食費はなし、その代わり平日は朝食を作る事。
6、両親には事情を説明して住所を伝えておく事。

家賃・光熱費・食費なしという取り決めに私は反対したけど、朝比奈先輩は『その分を貯めて引越しの資金にしろ』って言って聞く耳持たなかった。

それと、両親に事情を説明するのはすごく悩んだ。父親は私の事に無頓着。でも、継母は同居人が男性と知ったら嫌悪感をあらわにするだろう。

だから、知人の家にお世話になっているとだけ父親にメールで知らせた。
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