こじらせ女子の恋愛事情

ケータイ小説至上主義

打ち合わせを終えたその日、私は閉店間際の家電量販店に行くとUSBメモリーを購入した。

これで家だけじゃなく、昼休みに会社でも書き下ろしの作業を進めることができる。

買ったばかりのUSBメモリーを説明書を読みながらパソコンに差し込んだ。

「さて、と…」

パソコンの前に腰を下ろすと、私は深呼吸をした。

今日から発売日の5月まで肉体的にも精神的にも気が抜けない長い日々が始まる。

「よし、やるぞ」

ワードを起動させると、関口女史から指定された文字組を設定した。

「あっ、タイトルどうしよう…」

これと言って特に決めていなかったことを思い出した。

えーっと、後輩男子に主人公は言い寄られるストーリーな訳だから…タイトルを考えること、約3分。
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