恋がしたい。ただ恋がしたい。
またまたまた質問です。

…してしまいました。どうしますか?


ふわ、ふわ、ふわ。


暖かな光に包まれて、緩やかに身体が揺れている。


目の前には、何故か私がいて、紫がいて、裕介くんがいて…


そこで、あぁ、これは夢なんだ。私は夢を見てるんだ、と気がついた。


三人の会話に耳を傾ける。その顔は少し幼くて、三人とも高校の制服姿だった。


「ーー香織。あんまり厳しくしたらみんな辞めちゃうよ。」


「ーーだって、あの子たち、全然やる気ないんだよ!?私が言わなきゃ、みんな何も言わないでしょ!先生は練習以外の事は無関心だし!!」


「ーーこっちの事はほっといても奏一くんがうまくやってくれるって。…崎山先輩、そのうちみんなから刺されちゃうよ。」


「ーー『鬼』は刺されたぐらいじゃ死なないって。真面目にやらない子達はみんなこっちから刺してやる!」


角で?角で刺しちゃう?なんて言いながら、紫がゲラゲラと笑っている。




あー、懐かしいな。これ、バスケ部の話だ。


純くんと小山、大村と小山の『大小コンビ』目当てで男子バスケ部のマネージャー希望が殺到したり、男子と同じ場所で一緒に練習していた女子バスケ部に入部だけして、練習を真面目にしない子達が多くて…私、ずいぶん怒ってたっけなぁ。
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