セピア‐ため息の行方

1‐異世界

  李は甲斐甲斐しく鍋の蓋(ふた)を開け、キリタンポの煮え具合を見てはその煮汁を木製のお玉でお碗に入れては、味見などをしていた。


  花梨はそんな李の顔をそっと覗いて見た。卵形の顔に長い睫(まつげ)を伏せた横顔はやはり自分の母親である有莉禾(ゆりか)に良く似ているなと花梨は思った。


「花梨ちゃん今が丁度食べ頃よ。さあ召し上れ!」
  と李が言った。


「そうですね。腹が減っては戦(いくさ)が出来ないって言うし、まずは腹ごしらえしなきゃですね。ではいただきます!」
  と言って花梨は李に入れて貰ったキリタンポの器を受け取ると、ふうふう吹き冷ましながら美味しそうに食べ始めた。
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