セピア‐ため息の行方

4‐滑り込みセーフ?!

「い・痛たたた……?!」
  峻甫はあまりの痛さに思わず自分の頭に手を当ててそう呻(うめ)いた。


「ん?!あれ?!此処は警察署じないのかな?確か僕は女性を車で轢いて、警察署で取り調べを受けていたはず……?!」
  と峻甫は無意識に違和感を感じて辺りをキョロキョロと見回した。


「うーん。可笑しいな。どうやら此処は警察署じないみたいだ。って言うか、外だし。しかしこのレトロっぽい風景は間違いなく僕の祖父母が生きていた時代の昭和初期の雰囲気だ」
  と峻甫は思った。


  とにかく此処は何処で僕はどうして此処にいるのかをいち早く把握しなければとそう思った峻甫は、ゆっくりと立ち上がり恐る恐る足を一歩踏み出し歩き出した。だが歩けど歩けど周りには見渡す限り一面の花畑が広がり、時折ポツンと間隔を空けて民家が建っているだけだった。
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