オフィス・ラブ #∞【SS集】

「マジなんだ」



もう一度触ろうとする堤さんを、新庄さんがぶん殴る勢いで振りはらう。

その時、堤さんが何かに気がついたように、新庄さんの襟に指をかけた。

鎖骨のあたりまでボタンを外しているワイシャツを、人差し指でぐいっと割り、横からのぞきこむ。



「お前、今日、下に着てないの」

「これ、厚手だから…」



言いながら、新庄さんもはっと思い当たったようで、襟元を押さえる。

私も思い当たった。


バカバカ、新庄さんのバカ。


にやりと笑って、堤さんが私たちを見る。

私はもう、これまでにないくらい赤くなっていただろう。

新庄さんもさすがに気まずそうな顔をして、目を泳がせた。


堤さんは、会心の笑みで、ゆっくりとほおづえをつくと、私たちを交互に見て、それはそれは愉快そうに言った。



「24時間見てたわけじゃ、ないんじゃん」






Fin.

──────────
thanks : みわ様/桜夜様/ちい様/umeko様

< 58 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop