カタカタカタ……。


キーボードを叩く音だけが響く、緊迫した空間。

営業三部のデスクの島の末席に、向かい合わせに二台ずつ、合計四台設置された専用端末。
キーボードとテンキーを使って、数字とアルファベッドの羅列が何行も入力されていく。
私の隣には、同じ部署に配属された野口くんが同じようにキーボードを叩いている。


「野口、あと何枚?」


「あ、こっちはもう直ぐ終わりです」


「俺ももう済む。……福田は?」


野口くんの向かい側から響いた冷たい口調に、緊張した指先がうまく動かない。


「済みません……。あの、まだ……」


「萌愛、こっち一枚ちょうだい。大丈夫。まだ十五分あるから」