今宵、君の翼で
明かされた真実

朝、メールの着信音で目が覚めた。

天井を見て、一瞬どうして自分の部屋にいるんだろうと思ったけど、すぐに昨日のことを思い出した。


私家に帰ってきたんだっけ……


スマホを見ると翼からメールが入っていた。


翼には家に帰るとだけ伝えていたから、心配してくれてるみたい。


あ、そういえばお母さん…大丈夫かな…


私はベッドから降りて急いでリビングへ向かった。



リビングの扉を開けると母がパジャマのままソファに座っている。

髪がボサボサで驚いた。いつも完璧な母だったから、こんな姿は見たことがない。
何か考え事をしているのか、ぼーっとしている。


「お母さん⁉︎起きてて大丈夫なの⁉︎」

「あぁ…美羽」


「寝てなよ!」


「大丈夫よ…もう元気だから」


少し笑っていたけど、その顔はまだ白く、具合が悪そうだった。

やっぱり昨日手紙を見せるんじゃなかった…
私はひどく後悔した。


「美羽、あなたに伝えておきたいことがあるの」


その言葉に顔を上げると、お母さんは真剣な眼差しで私を見ていた。

その目には涙が滲んでいるようにも見えて、ドキっとした。




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