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「今年はゾンビが多いねー」

「一番てっとり早いんじゃないかな」

ライブハウスを借りきって、毎年恒例というわが社のハロウィンパーティ。
目の前ではアマチュアバンドが演奏中。

それを聞きながら、幼馴染みで親友の女性版フランケンシュタインに扮した芽依がカクテルを飲み干す。

さすがにイベント会社ルーメン。もう社内パーティと言うよりは、一般イベントみたいな力の入れよう。

ゾンビも確かに多いけど、その他にも色々なお化けがうろついている。

中には何故かピーターパンがいたりして単なる仮装大会になっているけど、皆のクオリティが半端ない。

「可南子はなんの仮装?」

「うん? えーと。魔女」

フード付きのケープを纏い、顔が見えないように目深に被っている。

「せっかくなのに、どうしてあんたは顔を隠しているのよ」

「だって……」

顔を出したくない。昔から男の子には『ブス』とか『不細工』とか言われていて、顔を隠すのが習いになっている。

「もったないじゃん。せっかくいい感じに肉感的なのに」

「それはどういう意味で?」