強引な次期社長に独り占めされてます!
「ところで、松浦は明日は何の仮装をするんだ?」

何事もなーくスルーするのは、主任の標準装備なんだろうか。

「秘密です……」

な……なんか、私ってきっと、ここ最近はずっと主任に振り回されているよね。

私、何かした?

間違いなく楽しそうな顔をしている主任を見ていたら、目の前にしゃがみこまれた。

「お前はわかってないなー」

……何がでしょうか?

「早く成長しろよ」

そっと前髪をかき上げられて瞬きする。

クリアになった視界に、主任の真っ直ぐな瞳が見えた。

「枷になるのは、お互いに正体不明ってことだけだ」

「…………」

そう言って、主任はいつもの表情に戻ると、何事もなく立ち上がる。

え。ちょっと待って、待って主任。

そこは切り替えないで、勝手に切り替えられても困るけど。

だって、その台詞を言ったのは一人だけなのに。

「行くぞー?」

「あ、あの。主任?」

「明日、楽しみだな?」

微笑まれて黙り込む。

ああ、だって、そんなさ。お互い正体不明って……。

正体不明だったのってさ?










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