弱虫ワタシと俺様カレ【完】
❀第四話❀ 三角関係

頭が回らない。

朝の事がまだ信じきれてない。


ぼーっとして授業の時間が過ぎていくのをただただ感じていた。


そして日直当番の仕事が終わりに教室に戻った。


そこには誰も居ないはずの教室に田崎と清太が反対側の角で睨み合っていた


「2人とも…なにしてるの…?」


「「 沙乃を待ってた 」」


2人は口を揃えてそう言った。


「もう帰って」


私は呆れた口調で冷たく静かな声で二人にそういった。


「帰る訳にはいかねぇんだよ」

「ねーちゃん待てよ」


鞄をとって帰ろうとすると田崎が走ってきて私の腕を引っ張った。


「待てよ。そうやって逃げんなよ」

「別に…逃げてないし…」

「おい、ねーちゃんに乱暴なことするな」

「俺一応先輩だぞ?宇佐美」

「知ってますよ田崎先輩」

「二人ともやめなよ」

「誰のせいだと思ってんの?」

「えっ、ちょっ…田崎!」

田崎は私にジリジリと近づいてきて両手を壁につけて私に逃げ場を無くされた


「おい!ねーちゃんに…!」



「恋のライバルでは容赦しねーから。覚悟しとけ」



そう言うと田崎は逃げようとする私の手首を掴んで再び壁に手を付いた


「離してよ田崎!」


「やだね、好きだよ。沙乃…」


田崎の声は静かな教室に響き、清太が何もできず立ち尽くしているのを見ると、再び私の方に向いた。

そして私が困った顔をしていることに気づいた。


「ごめん沙乃。最初、俺遊びのつもりで沙乃に近づいた。簡単に落とせると思ったけど無理だった」

「最低…!」

「でも、今俺は本気で沙乃に恋してる」

「…は?なにいって…」

私の言葉を押しつぶすように田崎は私の唇を奪った。



 「沙乃、俺の女になって欲しい」



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