嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


外は雪。

壇上では池上くんの答辞。

周りの女の子たちが「やっぱりカッコイイ〜」と小さな声で囁き合っている。

わたしの声がいいと言ってくれたけど、池上くんのマイクを通した声だってなかなかのものだよ。



式が終わると、大勢の同級生や後輩たちが池上くんを囲む。

本当に人気者だ。

わたしは待ち合わせを確認するために携帯を開く。

「じゃ、千雪、遅くならないうちに帰って来るのよ?」

「分かってる」

お母さんと校門のところで写真を撮ってから待ち合わせ場所へ足を向けた。

あの様子では池上くんはまだ時間がかかるだろう。


雪が降り続く。

いつの間にか校庭もうっすらと白くなっていた。




今日で最後。

これで最後。


待ってるから。

会えるまでちゃんと待ってるから。



だから・・・・・・・・・・。


早く来てねーーーーーーーー。


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