この度、友情結婚いたしました。
「夫の浮気現場を、元カレと目撃してしまいました」
「ようこそ、まどかちゃん！ってことで、かんぱーい！」

「かんぱーい！」


俊哉さんの乾杯音頭を皮切りに、居酒屋の個室にジョッキがぶつかり合う音が響く。


次の日の夜。
仕事終わりの午後十九時から始まった歓迎会。

四人ということもあって、一番小さな個室に通された。
必然的に俊哉さんと真希さん、私と琢磨が隣同士で座ることになった。


「まどかちゃん、どう？仕事には慣れてきたかな？」

「あっ、はい。おかげさまで」


俊哉さんはあまり事務所にいる時間が少ないし、いても依頼予約が入っていることが多いから、ちょっとだけ今も話すとき緊張してしまう。

「もう立派な我が事務所の事務員よねー。本当まどかちゃんみたいな、いい子が入ってきてくれてよかったわー」


真希さんは既にほろ酔いなのか、いつもよりテンションが高い。

「真希さん、あまり飲み過ぎない方がいいですよ？弱いんですから。でないとまた俊哉さんに迷惑かけちゃいますからね」

私の横でビールを煽りながら真希さんに釘を刺す琢磨に、目の前に座る俊哉さんは苦笑いした。
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