ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
5月――…


同期の一人で大学も同じだった友達の佐々木とその日は飲んでいた。

佐々木と別れ、駅に向かおうと歩いていると……

碓井さんに支えられた七海を見かける。


えっ……

って、アイツ、何やってんだよ!!


普段、七海は“飲み過ぎじゃない?”って思うくらい飲んでも酔っぱらう事はなかった。

なのに、今の七海は足元がふらついている。

あきらか酔っぱらっている。

碓井さんに肩を抱かれ、支えられている七海を見て、俺はカッとなる。

そして、碓井さんから七海を奪い、


「七海は俺が送っていきますので」


と、七海の腕を引っ張り、歩き出す。


「ちょっと待ってよ!ねぇ、いきなり何なの!?」


俺に引っ張られ、俺の後ろを歩く七海が立ち止り、俺の手を振り払う。


「折角……、折角、主任が送るって言ってくれたのに……。何で急に出てくんのよ!何勝手に阿部が送るとか言い出してんのよ!!」


そんな七海の言葉と態度に、俺は気持ちが抑えられなくなる。

売り言葉に買い言葉、だったと思う。

だけど、気持ちが抑えられなくなった俺は、


「ずっとお前の事が好きだったんだ」


と、気持ちを伝えた。

想い続けて三年。

ずっと隠していた俺の気持ちを伝えたんだ。

自信なんてない。

フラれるのはわかっている。

だけど、気持ちが抑えられなくなった俺は、七海に自分の気持ちを伝えた。


そして、七海は、その時に返事をしようとした。

だけど、フラれるのがわかっていた俺は、「考えて」と、その日は伝えた。


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