SEXY-POLICE79
序章
俺は決して、消えることのない大きな罪を犯した。流れる赤い色に、轟く悲鳴、白い紙が真っ赤に染まる。
忘れようと何度も思った…。
俺のせいじゃない…!!俺のせいじゃない…!!
首を振って何度も否定し続ける。冷たい視線、離れていく。

――幸ちゃんは選ばれた人間なの。

ある人はそう言った。選ばれた人間なんて幼い自分には、まだなんのことなのかわからなかった。ひとりは怖い、でもあの人が側に居てくれたから俺はいまこうして存在を見つけることができた。朧気でもわかるあの優しく温かい笑顔を、自分はいまでも憶えている。
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