ハピネス
朝日のジンクス
――――ガチャ…


「ただいま……」


ゆっくりゆっくりドアを開けて、小さく小さく帰還の挨拶をする。


「アラ天祢、お帰りなさい」


「ヒャアアアアッ!!」


まるで忍者みたいに抜き足差し足状態でリビングの前を通ると、リビングから出てきた母親に見つかってしまった。


娘がかなりすっとんきょうな声を上げたせいか、目を見開くお母さん。


「なぁに?そんなに驚いちゃって……ってゆーか、帰って来たならもっと大きな声で挨拶しなさいよ」


「ご、ごめんなさい…」


「天祢、お母さん晩ご飯の買い物してくるから、留守番よろしくね」
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