最寄りの駅から徒歩20分。


駅裏に出て一本隣の道の散策路を歩き、大きなガラス張りのビルを横目に真っ直ぐ、真っ直ぐ歩く。


すると突き当り、右に見える総合病院の所を左に曲がって、途中の信号で反対側へと渡ると少しした所にある雑貨屋。


そこで働く私、柊木華(ひいらぎはな)は今日もいつもどおり出勤した。


店先の看板はまだ『close』。


けれど鍵はかかっていない。


そっと押し開けて、それでもカランとなるドアベルの音に気持ちが弾む。



「おはようございます」


「おはよう、」



既に出勤していたオーナーの美和さんはいつも通りふわりと微笑みながら振り返った。


このお店は決して大きいとは言えないけれど、とてもかわいらしい雑貨屋さんだ。


何度か通ううちに美和さんと仲良くなり、そのうち、1人いた従業員がやめる事になったということで声をかけてもらったというのが、ここで働く事になったきっかけ。

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純愛  大人の恋  大人の男  眼鏡  地味子